kintoneとは?できること・できないことを初心者向けにわかりやすく解説

2026/7/21

「顧客情報が複数のExcelに分かれている」「案件の進捗状況を担当者しか把握していない」「申請書や日報がいまだに紙のまま」といった課題を抱えていないでしょうか。

こうした社内業務の改善に活用されているのが、サイボウズ株式会社の「kintone(キントーン)」です。

kintoneは、プログラミングの専門知識がなくても、自社の業務に合わせたシステムを作成できるクラウドサービスです。顧客管理や案件管理、日報、申請・承認、問い合わせ管理など、幅広い業務をデジタル化できます。

特に、パソコンだけでなくスマートフォンから情報を確認・入力できることや、社員・部署・役職ごとに閲覧・編集権限を分けられることは、kintoneの大きな特徴です。

一方で、kintoneだけですべての業務を自動化できるわけではありません。実現したい内容によっては、プラグインや外部サービスとの連携、専門会社によるカスタマイズが必要です。

この記事では、kintoneとはどのようなサービスなのか、初心者の方にもわかるように、できること・できないことや導入時の注意点を解説します。

kintoneとは?

kintoneとは、自社の業務に合わせたシステムを作成できる、クラウド型の業務改善プラットフォームです。

従来、会社独自の業務システムを作るためには、システム開発会社へ依頼し、長い期間と多額の費用をかけて開発するのが一般的でした。

kintoneでは、画面上に入力欄や選択項目などを配置していくことで、プログラミングをしなくても業務用のアプリを作成できます。このような開発方法は「ノーコード開発」と呼ばれます。

ここでいう「アプリ」とは、スマートフォンにインストールする一般的なアプリとは少し意味が異なります。kintoneでは、顧客管理や案件管理、日報管理など、業務ごとに作成するデータベースをアプリと呼びます。

例えば、顧客情報を管理したい場合は、次のような項目を持つ顧客管理アプリを作成します。

・会社名
・担当者名
・電話番号
・メールアドレス
・所在地
・対応担当者
・最終対応日
・対応履歴
・添付資料

必要な項目は会社ごとに自由に設定できます。既製の顧客管理システムに自社の業務を合わせるのではなく、自社の仕事の進め方に合わせてシステムを作れることがkintoneの大きな特徴です。

kintoneの主な機能

kintoneには、情報の登録や検索だけでなく、社内業務を効率化するためのさまざまな機能があります。

スマートフォンやタブレットから利用できる

kintoneはクラウドサービスのため、インターネットに接続できる環境であれば、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットからも利用できます。

外出中の営業担当者が商談後に対応履歴を入力したり、現場の担当者が写真付きの作業報告を登録したりできます。

管理者も、会社へ戻らなくてもスマートフォンから案件の進捗や申請内容を確認できます。事務所へ戻ってから紙の内容をパソコンへ入力し直す作業を減らせるため、営業や現場作業が多い会社にも向いています。

社員や部署ごとに権限を分けられる

kintoneでは、アプリ、データ、入力項目ごとに、閲覧・編集できる人を設定できます。

例えば、一般社員には顧客情報を閲覧できるようにしながら、売上や利益に関する項目は管理者だけが確認できるようにする設定が可能です。

そのほかにも、次のような使い分けができます。

・担当者は自分の案件だけを編集できる
・管理者はすべての案件を確認できる
・経理担当者だけが請求金額を編集できる
・特定の部署だけが個人情報を閲覧できる
・申請者は提出後の内容を変更できないようにする

部署や役職に応じて適切な権限を設定することで、必要な人に必要な情報だけを共有できます。

データを一元管理する機能

顧客情報、案件情報、売上情報、対応履歴などをkintone上に集約できます。

Excelファイルが担当者ごとに分かれている場合、「どのファイルが最新なのかわからない」「同じ情報を何度も入力している」といった問題が起こりやすくなります。

kintoneで管理すれば、全員が同じデータを確認できるため、古い情報を見て対応してしまうリスクを減らせます。

登録した情報は、条件を指定して検索したり、目的に応じて一覧表示を切り替えたりすることも可能です。

進捗状況を管理する機能

kintoneのプロセス管理機能を使うと、案件や申請の進捗状況を管理できます。

例えば、営業案件を「未対応」「初回連絡」「商談中」「見積提出」「契約」「失注」といった段階に分けて管理します。

案件ごとに現在の状況が表示されるため、担当者へ直接確認しなくても、どこまで進んでいるかを把握できます。

担当者や期限も設定できるため、対応漏れの防止にもつながります。

コメントで情報共有する機能

kintoneでは、登録されたデータごとにコメントを投稿できます。

例えば、顧客情報に対して「本日電話しました」「次回は来週連絡予定です」といった内容を記録できます。

メールや社内チャットだけでやり取りすると、後から情報を探すのが難しくなります。kintoneなら、対象となる顧客や案件のページにやり取りが残るため、情報とコミュニケーションをひも付けて管理できます。

担当者が休んでいる場合や、別の担当者へ引き継ぐ場合にも、これまでの経緯を確認しやすくなります。

通知・リマインド機能

一定の条件を満たした場合や、指定した期限が近づいた場合に、担当者へ通知できます。

例えば、次のような通知を設定できます。

・新しい問い合わせが登録されたら担当者へ通知する
・契約更新日の30日前に通知する
・申請が提出されたら承認者へ通知する
・対応期限を過ぎた案件を担当者へ知らせる
・案件の状況が変更されたら関係者へ通知する

人が毎日一覧表を確認しなくても、必要なタイミングで通知を受け取れるため、確認作業の削減や対応漏れの防止に役立ちます。

集計・グラフ表示機能

登録されたデータを集計し、表やグラフで表示できます。

営業管理であれば、担当者別の案件数、月別の売上、受注率などを確認できます。問い合わせ管理であれば、問い合わせ件数や対応状況、問い合わせ内容の内訳などを集計できます。

Excelで毎回集計表を作成する必要がなくなり、最新の状況を把握しやすくなります。

kintoneでできること

kintoneは、特定の業種や部署だけで使用するサービスではありません。作成するアプリによって、さまざまな業務に活用できます。

顧客管理

会社名、担当者名、連絡先、商談履歴、問い合わせ内容などを一元管理できます。

顧客情報と案件情報を関連付ければ、「この顧客と現在どのような商談をしているのか」「過去にどのような問い合わせがあったのか」といった情報も確認できます。

案件・営業管理

営業案件の担当者、進捗状況、見込金額、受注予定日などを管理できます。

担当者だけでなく管理者も状況を把握できるため、対応が止まっている案件へのフォローや、売上見込みの確認がしやすくなります。

問い合わせ管理

電話やメール、Webサイトから寄せられた問い合わせを登録し、担当者や対応状況を管理できます。

誰が対応しているのかを共有できるため、対応漏れや複数の担当者による二重対応を防止できます。

日報・作業報告

営業日報、現場報告、点検報告などを電子化できます。

入力された内容を自動的に一覧化できるため、紙の日報を回収して集計する必要がありません。写真や資料も添付でき、上司からコメントを返すこともできます。

申請・承認業務

経費申請、有給申請、稟議、備品購入申請などの社内申請を電子化できます。

申請者、承認者、現在の承認状況がわかるため、書類が誰のところで止まっているのかを確認しやすくなります。

契約・期限管理

契約開始日、契約終了日、更新日、担当者などを登録できます。

更新時期が近づいたら通知するように設定しておけば、契約更新や解約手続きの漏れを防止できます。

在庫・備品管理

商品の在庫数、入出庫履歴、備品の保管場所、貸出状況などを管理できます。

ただし、リアルタイムで大量の在庫が動く大規模な物流管理や、複雑な原価計算が必要な場合は、専用システムとの連携を検討した方がよい場合もあります。

不動産業務の管理

不動産会社では、顧客、物件、反響、内見、追客、契約、修繕、入居者対応などの管理に活用できます。

顧客情報と物件情報、案件情報を関連付けることで、「どの顧客にどの物件を紹介したのか」「どの物件でどのような修繕が発生したのか」を確認できる仕組みも構築できます。

kintoneだけではできないこと・苦手なこと

kintoneは柔軟性の高いサービスですが、何でも基本機能だけで実現できるわけではありません。

導入してから「想定していたことができなかった」とならないように、不得意なことも理解しておきましょう。

複雑な帳票を自由なレイアウトで作成すること

kintoneに登録された情報を一覧で表示したり、印刷したりすることはできます。

しかし、見積書や請求書、契約書などを指定のレイアウトで出力したい場合、基本機能だけでは対応が難しいことがあります。

複雑な帳票をPDF形式で出力する場合は、帳票作成用のプラグインや外部サービスを追加するのが一般的です。

高度な計算や複雑な処理をすべて標準機能で行うこと

基本的な四則演算や条件に応じた計算には対応できますが、複雑な料金計算や会社独自の判定処理などは、標準機能だけでは実現できない場合があります。

その場合は、プラグインを利用するか、JavaScriptによるカスタマイズを行います。

会計・給与・勤怠などの専門業務を完全に代替すること

kintoneで経費や勤務状況を記録することはできますが、税務計算、給与計算、社会保険手続きなどには専門的な機能が必要です。

会計ソフトや給与計算ソフトを完全に置き換えるのではなく、kintoneで社内の申請や情報を管理し、必要なデータを専門システムへ連携する使い方が適しています。

インターネットにつながらない環境での利用

kintoneはクラウドサービスのため、基本的にインターネット接続が必要です。

通信環境がない場所で継続的に使用する業務には向いていません。山間部や地下、工事現場など通信が不安定な場所で使用する場合は、事前に利用環境を確認する必要があります。

導入するだけで業務が自動的に改善されること

kintoneを契約しただけで、会社の業務が自動的に整理されるわけではありません。

現在の業務の流れを確認し、何をkintoneで管理するのか、誰が入力するのか、どのタイミングで更新するのかを決める必要があります。

使う目的や運用ルールが曖昧なままアプリを作ると、入力項目が増えすぎたり、似たようなアプリが乱立したりして、現場で使われなくなる可能性があります。

kintoneの機能を拡張する方法

標準機能だけで実現できない場合でも、すぐにkintoneの導入を諦める必要はありません。

kintoneには、機能を広げるための主な方法が3つあります。

プラグインを利用する

プラグインとは、kintoneへ機能を追加するための仕組みです。

帳票出力、地図表示、カレンダー表示、入力補助、データ集計など、さまざまなプラグインが提供されています。

プログラムを一から開発するより、短期間で導入できる可能性があります。ただし、プラグインによってはkintoneとは別に利用料金が発生します。

外部サービスと連携する

会計ソフト、チャットツール、Webフォーム、電子契約サービスなどと連携することで、kintoneの情報を別のサービスでも活用できます。

例えば、Webフォームから送信された問い合わせをkintoneへ自動登録したり、kintoneの情報が更新された際にチャットへ通知したりする仕組みを作れます。

個別にカスタマイズする

JavaScriptやAPIを利用すると、自社独自の画面や処理、外部システムとの連携を開発できます。

標準機能や既存のプラグインでは実現できない要望にも対応しやすくなりますが、専門知識が必要です。また、完成後の修正や保守についても考えておく必要があります。

kintoneが向いている会社

kintoneは、次のような課題を抱えている会社に向いています。

・Excelファイルが増えすぎている
・紙の申請書や日報を使用している
・担当者しか業務の進捗を把握していない
・顧客への対応履歴が共有されていない
・二重入力や転記作業が多い
・自社の業務に合う既製システムが見つからない
・外出先や現場から情報を確認したい
・社員や部署ごとに権限を分けたい
・小さく導入して段階的に改善したい
・現場の意見を反映しながらシステムを変更したい

特に、Excelや紙で行っている業務をデジタル化したい中小企業にとって、kintoneは導入を検討しやすい選択肢です。

最初から会社全体の業務を変更するのではなく、問い合わせ管理や日報など、課題が明確な業務から始めることもできます。

kintoneが向いていない可能性がある会社

一方で、次のような場合は慎重な検討が必要です。

・専用の基幹システムですでに業務が完成している
・インターネットを利用できない環境での作業が中心
・非常に複雑な処理を高速で行う必要がある
・導入後の管理担当者を決められない
・現在の業務を一切変更せず、そのままシステム化したい
・データを入力・更新する社内ルールを作れない

kintoneが向いているかどうかは、会社の規模だけでは決まりません。

少人数の会社でも、情報が分散している場合は大きな効果が期待できます。反対に、従業員数が多くても、目的や管理体制が決まっていなければ定着しない可能性があります。

初心者がkintoneを導入する際のポイント

kintoneを導入する際は、いきなり多くのアプリを作るのではなく、優先順位を決めて進めることが重要です。

まずは、「入力に時間がかかる」「情報を探す時間が長い」「確認漏れが多い」など、現在困っていることを具体的に整理しましょう。そのうえで、改善効果が高く、業務の流れが比較的わかりやすいものからkintone化します。

また、実際に入力する現場担当者の意見を聞くことも大切です。

管理者にとって必要な情報をすべて入力項目に追加すると、現場の負担が増えて使われなくなることがあります。本当に必要な項目に絞り、運用しながら改善していく方が定着しやすくなります。

kintoneは「プログラミングをしなくても作れるサービス」ですが、「業務設計をしなくてもよいサービス」ではありません。

使いやすいシステムにするためには、現在の業務を整理し、誰が・いつ・何を入力するのかを設計する必要があります。

既存システムで改善できない業務はオーダーメイド開発も選択肢

すでに何らかの業務システムを導入していても、すべての業務が効率化されているとは限りません。

例えば、基幹システムでは顧客情報や売上を管理できていても、そのシステムでは対応できない業務がExcelや紙、メール、担当者個人の記憶に残っているケースがあります。

その結果、次のような課題が起こります。

・既存システムとExcelへ同じ情報を二重入力している
・システムから出力したデータを手作業で集計している
・特定の担当者しか業務の進め方を把握していない
・電話やメールで受けた内容が社内で共有されていない
・複数のシステムへ同じ情報を転記している
・人による確認作業が多く、入力ミスや対応漏れが発生している
・既存システムの仕様に業務を合わせた結果、余計な作業が増えている

このような場合、現在使用しているシステムをすぐに廃止する必要はありません。

既存システムを残したまま、対応できていない業務だけをkintoneで補完したり、システム同士を連携させたりする方法があります。

例えば、既存システムから出力したデータをkintoneへ取り込み、社内で必要な進捗管理や集計、通知などを行う仕組みも構築できます。

一方で、既存システムの制約が多く、業務全体に大きな非効率が生じている場合は、そのシステムの機能を引き継ぎながら、より自社の業務に適した上位互換となるシステムをオーダーメイドで開発することも可能です。

オーダーメイド開発では、現在のシステムで使用している機能を整理したうえで、次のような改善を加えられます。

・スマートフォンから使いやすい画面にする
・部署や役職ごとに閲覧・編集権限を細かく分ける
・二重入力や転記作業を自動化する
・複数の情報を一つの画面で確認できるようにする
・担当者の経験に頼っている作業をシステム化する
・入力内容に応じて通知や次の作業を自動で発生させる
・自社独自の集計表や帳票を自動作成する
・既存の会計ソフトや顧客管理システムなどと連携する

大切なのは、「すでにシステムがあるから改善できない」と考えないことです。

既存システムを活用しながら不足している部分だけを補う方法と、既存システムに代わる新しい仕組みを構築する方法の両方を比較し、費用や改善効果に合った方法を選ぶ必要があります。

kintoneを自社で作るか、開発会社へ依頼するか

簡単な顧客台帳や日報であれば、自社で作成することも可能です。

一方で、複数のアプリを連携させる場合や、複雑な権限設定、帳票出力、外部サービスとの連携が必要な場合は、開発会社へ相談する方法があります。

自社で試行錯誤することにも意味はありますが、担当者が操作方法を調べる時間や、作り直しにかかる時間もコストです。

次のような場合は、専門会社への相談を検討するとよいでしょう。

・何からkintone化すればよいかわからない
・自社で作ったアプリが使いにくい
・アプリが増えすぎて管理できていない
・Excelからデータを移行したい
・他のシステムと連携したい
・社内に管理できる担当者がいない
・導入後の改善や保守も任せたい

すべてを開発会社へ任せる方法だけでなく、初期構築のみを依頼し、その後は自社で改善する方法もあります。

まとめ

kintoneとは、プログラミングの専門知識がなくても、自社の業務に合わせたアプリを作成できるクラウド型の業務改善プラットフォームです。

顧客管理、案件管理、問い合わせ管理、日報、申請・承認、期限管理など、さまざまな業務に活用できます。

パソコンだけでなくスマートフォンから情報を確認・入力でき、社員や部署、役職に応じて閲覧・編集権限を設定できることも大きな特徴です。

社内に散らばっているExcelや紙の情報を一元管理し、進捗状況や対応履歴を見える化することで、業務の属人化やヒューマンエラーの防止につながります。

ただし、複雑な帳票出力や高度な計算、専門的な会計処理などは、基本機能だけでは対応できない場合があります。その場合は、プラグインや外部サービス、個別カスタマイズを組み合わせて対応します。

kintoneを有効活用するために重要なのは、最初に現在の業務を整理し、解決したい課題を明確にすることです。

企業革命では、和歌山を拠点に、中小企業のkintone導入・アプリ開発・既存環境の改善を支援しています。

kintoneの導入だけでなく、現在使用しているシステムでは解決できない業務の整理や、既存システムとの連携、自社の業務に合わせたオーダーメイドシステムの開発にも対応しています。

「スマートフォンから業務情報を確認できるようにしたい」「社員ごとに閲覧・編集権限を分けたい」「既存システムの外で行っている非効率な作業をなくしたい」「属人化やヒューマンエラーを防ぎたい」といったお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

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