
kintoneが使いにくいと言われる原因は?現場に定着させる改善方法
2026/7/29
kintoneを導入したものの、現場から「入力しにくい」「どこを見ればよいか分からない」「Excelのほうが早い」といった不満が出ることがあります。
kintoneは、専門的なプログラミング知識がなくても業務アプリを作成できるサービスです。しかし、自由に設計できるからこそ、現場の業務に合わないアプリを作ってしまうと、かえって使いにくくなる場合があります。
大切なのは、kintoneそのものを使いにくいと判断するのではなく、どの操作や運用が現場の負担になっているかを具体的に確認することです。
この記事では、kintoneが使いにくいと言われる主な原因と、現場の不満を減らして定着させるための改善方法を解説します。
kintoneが使いにくいと言われる7つの原因

kintoneに対する不満は、機能そのものではなく、アプリの設計や社内の運用方法から生じていることがあります。
まずは、現場がどのような点を使いにくいと感じているのかを確認しましょう。
入力項目が多すぎる
kintoneで情報を一元管理しようとすると、管理者はできるだけ多くの情報を入力してもらいたいと考えがちです。
その結果、入力画面に多数の項目が並び、1件登録するだけでも時間がかかる状態になります。
特に、次のような項目が多いアプリは注意が必要です。
実際にはほとんど利用されていない項目
入力する目的が分からない項目
同じ内容を複数箇所に入力する項目
入力時点では分からない項目
管理者だけが確認するための項目
必要な情報を増やすほど管理はしやすくなりますが、入力する現場の負担は大きくなります。登録に時間がかかると、入力が後回しになったり、最低限の内容しか記録されなくなったりする可能性があります。
画面の配置が実際の業務手順と合っていない
入力項目の並び順も使いやすさに影響します。
例えば、営業担当者が「顧客情報→問い合わせ内容→対応結果」の順番で確認しているにもかかわらず、kintoneでは各項目が離れた場所に配置されていると、画面を何度も上下に移動しなければなりません。
また、関連する項目がまとまっていなければ、どこに入力すればよいか迷いやすくなります。
紙の申込書やExcelをそのまま再現するのではなく、実際に作業する順番に合わせてフォームを設計することが重要です。
同じ情報を何度も入力している
顧客名、住所、商品名、担当者名など、すでに別のアプリに登録されている情報を毎回手入力しているケースもあります。
同じ情報を何度も入力する運用では、現場の負担が増えるだけでなく、次のような問題も発生します。
株式会社の有無などによる表記のばらつき
入力ミス
古い情報のまま登録される
同じ顧客が重複して登録される
kintoneには、別のアプリに登録されている情報を取得する「ルックアップ」機能があります。ルックアップを利用すると、顧客や商品を選択するだけで、関連情報をまとめて取得できます。kintone公式サイトでも、ルックアップによって入力の手間やミスを減らせることが案内されています。
必要な情報を探しにくい
データをkintoneに登録していても、必要な情報をすぐに見つけられなければ、現場にとっては使いやすい状態とはいえません。
例えば、案件の履歴を確認するために、顧客管理アプリ、対応履歴アプリ、見積管理アプリを一つずつ開いて検索している場合、確認作業に時間がかかります。
また、一覧画面に多くの項目を表示しすぎると、横スクロールが必要になり、本当に確認したい情報が分かりにくくなります。
データを登録することだけでなく、「誰が、どの場面で、どの情報を見るのか」まで考えて設計する必要があります。
アプリが増えすぎている
kintoneでは比較的簡単にアプリを作成できるため、部署や担当者ごとにアプリが増えてしまうことがあります。
アプリが増えすぎると、現場は次のような疑問を感じるようになります。
どのアプリを使えばよいのか
似た名前のアプリは何が違うのか
どちらが最新の情報なのか
同じ情報を両方に登録する必要があるのか
試作したアプリや現在使用していないアプリが残っている場合も、現場を迷わせる原因になります。
業務ごとに必要なアプリを整理し、使用していないものは運用対象から外すことが大切です。
通知が多すぎて重要な連絡を見落とす
kintoneの通知は、申請の承認や対応漏れの防止に役立ちます。一方で、通知の条件を細かく考えずに設定すると、業務に関係のない通知まで届くようになります。
毎日大量の通知が届く状態になると、利用者は通知を確認しなくなり、本当に重要な連絡まで見落とす可能性があります。
通知は多ければよいわけではありません。誰に、どのタイミングで、何を知らせる必要があるのかを整理したうえで設定しましょう。
kintoneとExcelなどの二重管理になっている
kintoneを導入した後も、Excelや紙の台帳を残しているケースがあります。
現場が同じ内容をkintoneとExcelの両方に入力している場合、業務は効率化されるどころか、以前より負担が増えてしまいます。
二重管理が続く主な理由としては、次のようなものがあります。
kintoneの情報だけでは業務が完了しない
Excelのほうが慣れている
管理者が従来の資料を求めている
kintoneへ移行する範囲が決まっていない
正式なデータの保存場所が不明確
新しい仕組みを追加するだけでは、業務改善にはなりません。kintoneへ移行する業務と、廃止する作業をセットで決める必要があります。
kintoneの使いにくさを改善する7つの方法

kintoneへの不満を解消するには、現場に使い方を覚えてもらうだけでなく、アプリや運用自体を見直すことが重要です。
ここからは、具体的な改善方法を紹介します。
現場の不満を具体的な操作に分ける
「kintoneは使いにくい」という意見だけでは、適切な改善方法を判断できません。
次のように、どの作業に困っているかを具体的に確認しましょう。
入力に時間がかかる
必要な情報の場所が分からない
検索しても目的のデータが見つからない
スマートフォンでは操作しにくい
通知が多い
承認の進め方が分からない
Excelにも入力する必要がある
実際の操作画面を見ながらヒアリングすると、利用者本人も気づいていなかった問題が見つかることがあります。
現場のITスキルだけを原因にせず、迷いやすい設計になっていないかを確認することが大切です。
入力項目を必要最低限に絞る
まずは、現在の入力項目を「必須」「あると便利」「ほとんど使わない」に分けます。
利用目的が明確でない項目は削除するか、必要に応じて後から入力する運用に変更しましょう。
また、すべての項目を必須にすると、情報が分からない場合に登録自体ができなくなります。業務を進めるうえで本当に必要な項目だけを必須にするのがポイントです。
入力項目を減らすことが難しい場合は、用途ごとにまとめて折りたためる「グループ」フィールドも活用できます。kintone公式ヘルプでも、フィールドが多い場合にグループで整理すると、画面を見やすくできると案内されています。グループフィールドの詳細はこちら。
項目を実際の業務手順に沿って並べる
フォームは、管理者が集計しやすい順番ではなく、現場が入力しやすい順番に整えます。
例えば、問い合わせ管理であれば、次のような流れが考えられます。
顧客を選択する
問い合わせ日時を入力する
問い合わせ内容を記録する
担当者を設定する
対応結果を入力する
次回対応日を決める
関連する項目を近くに配置し、見出しやグループで区切るだけでも、入力時の迷いを減らせます。
実際に利用する担当者に操作してもらい、入力中に画面を上下へ何度も移動していないかも確認しましょう。
ルックアップや関連レコードを活用する
すでに登録されている情報は、できるだけ再入力しない設計にします。
顧客管理アプリと案件管理アプリを分けている場合は、ルックアップを使って顧客情報を取得することで、入力作業を減らせます。
また、「関連レコード一覧」を利用すると、条件に合う別アプリの情報を一つの画面に表示できます。例えば、顧客の詳細画面に、その顧客の過去案件や問い合わせ履歴をまとめて表示することが可能です。
これにより、複数のアプリを開いて検索する手間を減らせます。関連レコード一覧は、別アプリだけでなく同じアプリ内の関連情報を表示する場合にも利用できます。

利用者ごとに見やすい一覧を用意する
管理者と現場担当者では、確認したい情報が異なります。
すべての情報を一つの一覧に表示するのではなく、目的に応じて一覧を分けましょう。
例えば、案件管理アプリでは次のような一覧が考えられます。
自分が担当する未対応案件
本日対応が必要な案件
見積提出後の案件
受注した案件
一定期間更新されていない案件
管理者が確認する全案件
一覧名も「一覧1」「営業用」などの曖昧な表現ではなく、「本日対応する案件」のように、用途が分かる名称にします。
なお、一覧そのものにアクセス権を設定することはできませんが、レコードやフィールドのアクセス権によって、利用者ごとに閲覧できる情報を制御できます。kintoneでは、アプリ・レコード・フィールドの3段階でアクセス権を設定できます。
通知の対象者と条件を見直す
通知設定は、利用者全員に同じ通知を送るのではなく、対応が必要な人だけに届くように調整します。
例えば、次のような通知は業務上の目的が明確です。
担当者に指定されたとき
申請の承認者になったとき
対応期限が近づいたとき
ステータスが変更されたとき
長期間更新されていないとき
一方で、レコードが登録・更新されるたびに関係者全員へ通知すると、通知過多になりやすいため注意が必要です。
現場に「必要な通知」と「不要な通知」を確認し、定期的に設定を見直しましょう。
小さく改善して現場に確認する
最初から完成したアプリを作ろうとすると、設計に時間がかかるだけでなく、完成後に現場の業務と合わないことがあります。
まずは一部の業務や少人数のチームで利用し、実際の操作を確認しながら改善する方法が効果的です。
改善は、次の流れで進めます。
現場の困りごとを聞く
優先順位を決める
アプリを修正する
現場に操作してもらう
利用状況を確認する
次の改善点を決める
サイボウズも、動くアプリを現場に見せ、その場で要望を反映しながら改善を続けることが、活用につながる方法として紹介しています。社内浸透のためのkintone活用のコツ
改善してもkintoneが使いにくい場合に確認すること
入力項目や画面を見直しても不満が解消されない場合は、kintoneの設定だけではなく、業務全体に原因がないか確認します。
現在の業務ルールが複雑すぎないか
kintoneは業務を管理するための仕組みですが、複雑な業務ルールを自動的に整理してくれるわけではありません。
担当者によって処理方法が異なる、例外対応が多い、承認者が明確でないといった状態では、そのままkintoneに置き換えても使いにくさが残ります。
アプリを修正する前に、不要な承認や重複作業を減らせないか検討しましょう。
標準機能だけで対応しようとしていないか
kintoneは標準機能だけでも多くの業務に対応できますが、すべての要望を実現できるわけではありません。
帳票の細かなレイアウト、外部向け入力フォーム、他システムとのデータ連携など、標準機能だけでは対応しにくい業務もあります。
必要に応じて、プラグイン、外部サービス、JavaScriptによるカスタマイズなどを検討します。ただし、機能を追加しすぎると管理が複雑になるため、費用対効果を確認したうえで導入することが重要です。
管理・改善する担当者が決まっているか
kintoneは、導入時に作って終わりではありません。業務内容や組織体制が変われば、必要な項目や運用方法も変化します。
次の役割を担当する人を決めておきましょう。
現場から要望を集める
改善の優先順位を決める
アプリを修正する
操作方法を案内する
利用状況を確認する
すべてを一人で担当する必要はありませんが、誰に相談すればよいか分からない状態は避ける必要があります。
kintoneの改善で避けたい対応
現場から不満が出たときに、使い方の研修だけで解決しようとするのは注意が必要です。
操作方法を理解していても、入力項目が多い、情報が探しにくい、二重入力が必要といった問題は解消されません。
また、現場から要望が出るたびに機能を追加すると、画面や設定が複雑になり、別の使いにくさが生まれる可能性があります。
要望を受けた際は、その機能が本当に必要なのか、現在の運用を変えることで解決できないかを確認しましょう。
まとめ
kintoneが使いにくいと言われる場合、利用者のITスキルだけが原因とは限りません。
入力項目が多い、画面の配置が業務手順と合っていない、必要な情報を探しにくい、Excelとの二重管理が残っているなど、アプリ設計や運用方法に問題があるケースも多くあります。
現場に定着させるためには、実際の操作を確認しながら、次の改善を進めることが重要です。
入力項目を必要最低限にする
業務手順に沿って項目を配置する
同じ情報を何度も入力しない仕組みにする
利用目的に合った一覧を作る
通知の対象者と条件を見直す
Excelや紙との二重管理を減らす
小さく改善して現場の反応を確認する
kintoneは、自社の業務に合わせて改善を続けられることが特徴です。一度作ったアプリをそのまま使い続けるのではなく、現場の不満を具体的に把握し、使いやすい形へ調整していきましょう。
企業革命では、和歌山の中小企業を中心に、kintoneの導入支援や既存アプリの改善、業務フローの整理を行っています。
「導入したものの現場で使われていない」「アプリが増えすぎて整理できない」「自社だけでは改善方法が分からない」といった場合は、お気軽にご相談ください。
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