
kintoneで問い合わせ管理|対応漏れや二重対応を防ぐ方法
2026/8/3

kintoneで問い合わせ管理|対応漏れや二重対応を防ぐ方法
「問い合わせメールを誰が対応しているのか分からない」
「同じお客様に複数の担当者が返信してしまった」
「担当者が休むと、過去の対応内容を確認できない」
このような問題は、問い合わせ情報がメール、Excel、チャット、紙のメモなどに分散していることによって起こります。
問い合わせ件数が少ないうちは個人の記憶やメールの振り分けで対応できても、件数や担当者が増えると、対応漏れや二重対応が発生しやすくなります。
kintoneを活用すれば、電話やメール、Webフォームなどから寄せられた問い合わせを一元管理し、担当者、対応状況、過去の対応履歴を社内で共有できます。
本記事では、kintoneで問い合わせ管理を行うメリットや必要な項目、具体的な構築例、運用時の注意点を解説します。
問い合わせ管理でよくある課題

問い合わせ対応では、単に質問へ回答するだけでなく、受付、担当者への割り振り、回答内容の確認、顧客への連絡、対応完了までを管理する必要があります。
ところが、問い合わせをメールやExcelで管理していると、次のような問題が起こりやすくなります。
問い合わせが複数の場所に分散する
問い合わせの受付方法は一つとは限りません。
代表メールアドレスへの連絡だけでなく、電話、Webフォーム、営業担当者への直接連絡、チャット、SNSなど、複数の窓口から問い合わせが入ることがあります。
それぞれの担当者が個別に管理すると、問い合わせ情報が社内のさまざまな場所に分散します。
全体の件数や対応状況を把握できず、「問い合わせを受けた人しか内容を知らない」という状態になりかねません。
誰が対応するのか分からない
共有メールアドレスで問い合わせを受け付けていても、担当者を明確に決めていなければ、全員が「誰かが対応するだろう」と考えてしまいます。
一方で、複数の担当者が同時に対応を始め、同じお客様へ別々の回答を送ってしまうこともあります。
問い合わせごとに担当者を割り当て、現在の対応状況を共有する仕組みが必要です。
対応漏れに気づけない
メールの受信箱だけで問い合わせを管理していると、一度メールを開いた後に未対応のまま埋もれてしまうことがあります。
Excelでも、対応期限が近づいたことを自動的に知らせる仕組みがなければ、担当者が表を開いて確認しなければなりません。
問い合わせが届いた時点だけでなく、対応期限が近づいたときや、一定期間更新されていないときに気づける仕組みが重要です。
過去の対応履歴を探しにくい
問い合わせ対応では、今回の質問だけでなく、その顧客と過去にどのようなやり取りをしたか確認しなければならない場合があります。
しかし、対応履歴が担当者個人のメールボックスやメモに残っていると、別の担当者は内容を確認できません。
過去の経緯を把握しないまま回答すると、以前の案内と異なる説明をしてしまったり、お客様に同じ内容を何度も説明してもらったりする可能性があります。
問い合わせ内容を業務改善に活用できない
問い合わせは、商品やサービスに対する顧客の不満や疑問を知るための重要な情報です。
問い合わせ内容を分類して蓄積すれば、「どの商品への質問が多いか」「どの時期に問い合わせが増えるか」「どのようなトラブルが繰り返されているか」を分析できます。
情報がメールや担当者ごとのExcelに分散していると、問い合わせ件数や内容を集計するだけでも時間がかかり、業務改善に活用できません。
kintoneで問い合わせ管理を行うメリット
kintoneでは、自社の問い合わせ業務に合わせた管理アプリを作成できます。
問い合わせ内容、顧客情報、担当者、対応状況、回答内容などを一つのレコードにまとめることで、問い合わせ受付から対応完了までの流れを見える化できます。
サイボウズの公式サイトでも、kintoneによる問い合わせ管理では、担当者とステータスを紐づけて対応状況を見える化し、対応漏れを防止できると紹介されています。
問い合わせ情報を一元管理できる
kintoneでは、問い合わせ1件につき1つのレコードを作成します。
そのレコードに、次のような情報をまとめて登録できます。
問い合わせを受けた日時
顧客名や会社名
電話番号やメールアドレス
問い合わせ種別
問い合わせ内容
担当者
対応期限
現在のステータス
回答内容
対応完了日
担当者が変わっても、レコードを確認すれば問い合わせの内容と現在の状況を把握できます。
電話対応のメモ、メールの内容、添付された資料なども同じレコードに保存できるため、情報を探す時間も減らせます。
担当者と対応状況が分かる
kintoneのプロセス管理を使用すると、問い合わせ対応の流れに合わせてステータスを設定できます。
例えば、次のようなステータスです。
「未対応」→「対応中」→「回答待ち」→「確認中」→「完了」
それぞれの問い合わせに担当者を設定すれば、誰が何を対応しているのかを一覧で確認できます。
「未対応の問い合わせだけを表示する」「自分が担当する問い合わせだけを表示する」といった一覧も作成可能です。
担当者とステータスが明確になるため、対応漏れだけでなく、複数の担当者による二重対応も防ぎやすくなります。
通知によって対応漏れを防げる
kintoneでは、レコードの追加や更新、ステータスの変更などを条件として、担当者へ通知できます。
例えば、次のような通知を設定できます。
新しい問い合わせが登録されたら受付担当者へ通知する
担当者が決まったら、その担当者へ通知する
緊急度が「高」の問い合わせを責任者へ通知する
ステータスが「確認中」になったら上司へ通知する
対応期限を過ぎた問い合わせを担当者へ知らせる
通知先に担当者や担当部署のフィールドを指定することもできます。
ただし、通知を増やしすぎると重要な通知が埋もれてしまいます。すべての更新を通知するのではなく、担当者の割り当てや期限超過など、対応に必要なものへ絞ることが大切です。
対応履歴を共有できる
kintoneでは、問い合わせレコードに回答内容や対応日時を登録できます。
レコードのコメント欄を使って、担当者同士で確認や相談を行うことも可能です。問い合わせに関する会話がレコードに紐づくため、社内チャットなどに情報が分散するのを防げます。
また、顧客管理アプリと問い合わせ管理アプリを分けて構築し、関連レコード一覧で紐づける方法もあります。
顧客管理アプリを開くだけで、その顧客から過去に寄せられた問い合わせを一覧表示できるため、担当者が変わった場合でも過去の経緯を確認できます。
関連レコード一覧は、条件が一致する別アプリまたは同じアプリのレコードを一覧表示する機能です。表示元の情報をコピーするのではなく、現在の情報を参照して表示します。
問い合わせの傾向をグラフで確認できる
問い合わせ内容を分類して登録すれば、蓄積したデータをグラフや表で集計できます。
例えば、次のような情報を確認できます。
月別の問い合わせ件数
問い合わせ種別ごとの件数
商品やサービス別の問い合わせ件数
担当者別の対応件数
未対応・対応中・完了の件数
問い合わせ受付から完了までの日数
クレームや不具合報告の発生件数
問い合わせが多い項目をFAQへ掲載したり、商品の説明を見直したりすれば、問い合わせ件数そのものを減らせる可能性があります。
kintoneの問い合わせ管理アプリに必要な項目

問い合わせ管理アプリを作成するときは、最初から項目を増やしすぎないことが重要です。
入力の負担が大きいと、担当者が記録を後回しにし、正確な情報が蓄積されなくなります。
まずは、問い合わせの受付から完了までに本当に必要な項目を用意しましょう。
受付情報
問い合わせを受け付けた状況を記録する項目です。
問い合わせ番号
受付日時
受付方法
受付担当者
問い合わせ種別
緊急度
問い合わせ内容
添付ファイル
受付方法には「電話」「メール」「Webフォーム」「来店」「チャット」などの選択肢を設定します。
問い合わせ種別も選択式にしておくと、後から内容を集計しやすくなります。
顧客情報
問い合わせをした顧客を特定するための項目です。
顧客名
会社名
担当者名
電話番号
メールアドレス
顧客番号
関連する商品や契約
すでに顧客管理アプリを使用している場合は、顧客情報を問い合わせ管理アプリへ毎回手入力する必要はありません。
ルックアップを使用して顧客を選択し、会社名、担当者名、電話番号などを取得する設計にすれば、入力時間と転記ミスを減らせます。
対応状況
問い合わせの進捗を管理する項目です。
対応担当者
担当部署
ステータス
対応期限
次回対応予定日
最終対応日時
完了日
エスカレーション先
担当者とステータスは必ず明確にしましょう。
「現在、誰が対応すべき問い合わせなのか」が分からなければ、kintoneへ情報を登録しても対応漏れを防げません。
回答・対応履歴
実際にどのような対応を行ったか記録する項目です。
対応日時
対応方法
対応者
対応内容
顧客への回答
社内確認内容
添付ファイル
今後の対応予定
対応回数が多い業務では、対応履歴をテーブル形式で追加する方法や、問い合わせ管理アプリとは別に対応履歴アプリを作成する方法があります。
問い合わせ1件あたりのやり取りが少ない場合は、一つのアプリ内で管理する方が運用しやすいでしょう。
kintoneで問い合わせ管理を構築する方法
問い合わせ件数や顧客情報の管理状況によって、適切なアプリ構成は異なります。
ここでは、代表的な3つの構築例を紹介します。
構築例1:問い合わせ管理アプリだけで始める
最も簡単な方法は、一つの問い合わせ管理アプリに必要な情報をすべて登録する構成です。
問い合わせ内容、顧客情報、担当者、ステータス、回答内容を一つのレコードで管理します。
この方法は、次のような企業に向いています。
問い合わせ件数がそれほど多くない
まずは短期間で運用を始めたい
顧客管理システムを使用していない
問い合わせ1件あたりの対応回数が少ない
構成が単純なため、現場の担当者も操作を覚えやすいことがメリットです。
ただし、同じ顧客から何度も問い合わせがある場合、会社名や連絡先を毎回入力する必要があります。運用が定着した後、必要に応じて顧客管理アプリを追加するとよいでしょう。
構築例2:顧客管理アプリと問い合わせ管理アプリを分ける
顧客ごとの問い合わせ履歴を確認したい場合は、顧客管理アプリと問い合わせ管理アプリを分けて構築します。
顧客管理アプリには会社名、担当者名、連絡先、契約情報などを登録します。
問い合わせ管理アプリでは、ルックアップを使用して顧客管理アプリから顧客情報を取得します。
さらに、顧客管理アプリに関連レコード一覧を設置すれば、その顧客に紐づく問い合わせ履歴を一覧表示できます。
この構成には、次のようなメリットがあります。
顧客情報を何度も入力する必要がない
顧客情報の表記を統一できる
顧客ごとの問い合わせ履歴を確認できる
営業担当者と問い合わせ担当者が情報を共有できる
顧客情報を変更したときの管理がしやすい
既にkintoneで顧客管理を行っている企業は、この構成から始めるのがおすすめです。
構築例3:顧客・問い合わせ・対応履歴を分ける
問い合わせ1件に対して、電話やメールで複数回やり取りする業務では、対応履歴を別アプリに分ける方法があります。
それぞれのアプリには、次の情報を登録します。
顧客管理アプリ:顧客の基本情報や契約情報
問い合わせ管理アプリ:問い合わせ内容、担当者、ステータス
対応履歴アプリ:対応日時、対応者、対応内容、回答内容
問い合わせ管理アプリから対応履歴を登録し、関連レコード一覧で過去の対応を時系列に表示します。
この構成であれば、問い合わせが長期間にわたる場合でも、いつ、誰が、どのような対応をしたのかを整理できます。
一方で、アプリを分けすぎると入力や画面移動が増える場合があります。問い合わせ件数や対応回数が少ない企業では、一つのアプリ内で管理する方が適しています。

メールやWebフォームの問い合わせをkintoneへ登録する方法
kintoneの問い合わせ管理で注意したいのが、問い合わせの登録方法です。
電話で受けた内容は、担当者が問い合わせ管理アプリへ直接入力できます。
一方、メールやWebフォームの内容を自動的に登録したい場合は、利用する機能や連携サービスを検討する必要があります。
Webフォームから自動登録する
外部の顧客は、通常、社内用のkintoneアプリへ直接アクセスできません。
ホームページの問い合わせフォームからkintoneへ自動登録したい場合は、kintoneと連携できるWebフォームサービスなどを利用します。
例えば、連携サービスのFormBridgeでは、Webフォームに入力された内容をkintoneへ登録できます。
フォームから自動登録できれば、担当者による転記作業がなくなり、入力ミスや登録漏れを防ぎやすくなります。
メールの内容を共有する
代表メールアドレスに届いた問い合わせを複数人で管理したい場合は、メール連携の方法も検討します。
kintoneには、メールの送受信と問い合わせ対応の共有に利用できる「メール共有オプション」が用意されています。代表メールのやり取りや対応状況をチームで共有できるため、メール中心の問い合わせ窓口に適しています。
そのほか、メールの内容をkintoneへ登録する連携サービスや、kintoneの情報を引用してメールを送信するサービスもあります。
必要な機能はサービスによって異なるため、次の点を確認しましょう。
受信メールを自動登録できるか
kintone上から返信できるか
送信したメールも履歴として残るか
添付ファイルを保存できるか
複数のメールアドレスを管理できるか
自動返信やテンプレート送信に対応しているか
kintoneとは別に利用料金がかかるか
「kintoneを導入すれば、現在使用しているメールがそのまま自動で問い合わせ管理アプリに入る」とは限りません。受付経路に合わせて連携方法を設計する必要があります。
対応漏れや二重対応を防ぐための運用ポイント
問い合わせ管理アプリを作成しただけでは、対応漏れや二重対応を完全に防ぐことはできません。
アプリの設定とあわせて、社内の運用ルールを決める必要があります。
担当者を必ず設定する
すべての問い合わせに担当者を設定します。
担当者が決まっていない段階では、受付担当者や管理責任者を一時的な作業者にするなど、「誰にも割り当てられていない問い合わせ」を作らないことが重要です。
一覧画面には、未対応の問い合わせや担当者未設定の問い合わせを確認できる表示を用意しましょう。
ステータスの定義を統一する
「対応中」や「確認中」が何を意味するのか、担当者によって認識が異なると正しい進捗を把握できません。
例えば、次のように定義します。
未対応:受付後、まだ担当者が対応を開始していない
対応中:担当者が内容を確認し、回答を準備している
回答待ち:顧客からの追加情報や返答を待っている
社内確認中:上司や他部署へ確認している
完了:顧客への回答と必要な社内処理が終わっている
ステータスは細かく分けすぎず、担当者が迷わず選択できる数に抑えましょう。
対応期限を設定する
問い合わせの優先度や種類に応じて、対応期限を設定します。
「問い合わせから1営業日以内に一次回答する」「緊急の場合は受付後30分以内に担当者へ連絡する」など、社内の基準を決めておくと管理しやすくなります。
対応期限を入力するだけでなく、期限が近い問い合わせや期限を過ぎた問い合わせを一覧で確認できるようにすることも重要です。
kintone以外で対応を完結させない
電話で回答した後に記録しなかったり、社内チャットだけで対応方針を共有したりすると、kintone上の情報と実際の状況が一致しなくなります。
問い合わせに関する対応内容や判断は、最終的にkintoneへ記録するルールを設けましょう。
ただし、記録項目が多すぎると入力されなくなります。最低限残すべき情報を決め、担当者の負担を抑えることが大切です。
定期的に問い合わせデータを確認する
月に一度などの頻度で、蓄積した問い合わせデータを確認します。
単に対応件数を集計するだけでなく、次のような視点で改善点を探しましょう。
同じ内容の問い合わせが繰り返されていないか
特定の商品や担当部署に問い合わせが集中していないか
完了まで時間がかかっている問い合わせはないか
対応期限を過ぎる原因は何か
FAQやホームページで案内できる内容はないか
問い合わせ管理は、対応漏れを防ぐだけでなく、商品や業務を改善するための仕組みとして活用できます。
kintoneでの問い合わせ管理が向いている企業
kintoneによる問い合わせ管理は、次のような企業に向いています。
問い合わせをメールやExcelで管理している
複数人で一つの問い合わせ窓口を担当している
対応漏れや二重対応が発生している
担当者が不在になると対応状況が分からない
顧客ごとの対応履歴を共有したい
問い合わせの件数や傾向を集計したい
自社の業務に合わせて管理項目を変更したい
小さく始めて運用しながら改善したい
一方、電話、メール、チャット、SNSなど、複数の窓口から大量の問い合わせが入るコールセンターでは、専用の問い合わせ管理システムの方が適している場合もあります。
kintoneを導入すること自体を目的にするのではなく、問い合わせ件数、受付経路、担当者数、必要な自動化の範囲を整理したうえで判断しましょう。
まとめ
kintoneで問い合わせ管理を行うと、問い合わせ内容、顧客情報、担当者、対応状況、回答内容を一元管理できます。
誰が対応しているのか、どの問い合わせが未対応なのかを一覧で確認できるため、対応漏れや二重対応を防ぎやすくなります。
顧客管理アプリと問い合わせ管理アプリを紐づければ、顧客ごとの対応履歴も共有できます。さらに、蓄積した問い合わせを分類・集計することで、FAQの作成や商品・サービスの改善にも活用できます。
ただし、問い合わせ管理を定着させるためには、担当者やステータス、対応期限の設定だけでなく、社内の運用ルールも必要です。
企業革命では、現在の問い合わせ受付方法や対応フローを確認したうえで、自社の業務に合ったkintoneアプリの構築を支援しています。
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